【駒場】秋の散策に!アカデミックな街で日本を愛でる
武士の狩猟場から天才・秀才が集まる街へ
駒場はもともと武士の狩猟場として管理されていた地域。
ウサギなどの野生動物を捕獲することができませんでした。
江戸時代に入ると戦いがぐんと減るため、武士の実践練習の場としての鷹狩りが頻繁に行われます。
そういった背景から駒場には広大な原野が残され、明治に入ると駒場農学校が設立されます。
農学校は維新後の日本が海外技術を取り入れる場となり、その後、東京大学農学部へと引き継がれます。
現在は筑駒、駒場東邦などの優秀校が集まるアカデミックな街となり、パチンコや飲み屋街などが制限される文教地区となっています。
一方で都内きっての高級住宅街。
海外からの観光客も少なく、とても静かです。
カフェや歴史、文化を学べる施設もそろっているので、大人散歩に似合いの街といえるでしょう。
駒場の散策スポット
緑が多いので、新緑の季節もよいですが、おすすめは紅葉の楽しめる秋から冬。
駅周辺にスポットが集まっているため、寒い時期の散策にもぴったりです。
穴場スポットも多いので、写真好きな方にもおススメです。週末なら学生もいないので、気兼ねなく撮影できます。
銀杏並木を歩く。東大キャンパスとフレンチカフェ
駒場キャンパスは森そのもの。マイナスイオンたっぷりです。
電磁波に囲まれたなかで暮らしていると、木々の中でぼ~っと座っているだけで自律神経が整っていくそうです。
キャンパスの中でも特におススメなのが、銀杏並木。
秋から冬にかけて黄金色に輝く素敵な場所になります。
週末は犬の散歩をする駒場の住人をちらほら見かける程度なので、銀杏の絨毯を踏みしめながら、のんびりと散歩ができます。
森のフレンチレストラン
キャンパス内にひっそり佇むカフェは、フレンチのルヴェソンヴェール。
上品な雰囲気で、都会にいながら避暑地のような趣を味わえます。
大学内のレストランだけあって、ランチもディナーも1000円台から!
ワインや食後酒も用意されています。
音楽会などのイベントも開催されているようなので、気に入るものがあったらぜひ。
美学者の感性を愛でる。日本民藝館
日本民藝館HPより
器や布、木や石で作られたもの。
暮らしの中にある美を扱った美術館で、ファンが多いことでも有名です。
無名の職人がつくる日常品の美しさに感動した柳宗悦が、日本中を歩きまわって集めた作品が展示されています。
最近ではフライパンの柳宗理が有名ですが、彼は宗悦の息子です。
宗悦の審美眼を通して選ばれたものは、唐津や伊万里の古陶器、東北地方の被着(かつぎ)や刺し子衣装、朝鮮の陶磁器、アイヌの衣装など。
絵画もあり、庶民がお土産や奉納で使っていた民画や中世の御伽草子なども見ることができます。
建物も見事で、箱の外も中もひっくるめて柳宗悦という美学者の感性を味わえる名所となっています。
カフェで文学を楽しむ。日本近代文学館
こちらは文学を愛する人たちのための文学の館。
本を閲覧することもできますが、文学館らしく様々なイベントも開催されています。
藤村、芥川といった有名どころの催しだけでなく、イラストや鉄道といった文学に興味のない方も楽しめるイベントが企画されています。
最近のイベント
「明治文学の彩りー口絵・挿絵の世界」
「少年少女雑誌にみる近代」
「鉄道と文学」
春樹を味わうカフェ
そして何といってもおススメはBUNDAN CAFE!
コーヒーにするなら、芥川にするかそれとも鴎外か。宮沢賢治の「ベーリング行列車の紅茶」なんてのもあります。
春樹ファンなら、当然「ハードボイルド・ワンダーランド」の朝食セットでしょう。トマトソースで煮込んだソーセージやキャベツとピーマンのサラダ、と主人公・私の最後の朝食を再現しています。
ほかにも、安吾の「焼き鮭のサンドイッチ」、シャーロックホームズの「ビールのスープとサーモンパイ」など、小説好きにはたまらないメニューとなっています。
加賀100万石の財力を知る。前田伯爵邸
こちらは加賀前田家の邸宅。
駒場公園の中にあり、前述の近代文学館と同じ敷地になります。
前田家16代目が昭和に入って建てたもので、当時は東洋一の大邸宅と呼ばれていたそうです。
皇族を招いた晩餐会などもよく開かれていたようで、地階の厨房から1.2階へと料理を運ぶためのダムウェーターや、地階から3階の洗濯室をつなぐ暖房用ダクトなど、と令和の今から見ても驚くほどの贅沢ぶりです。
終戦後、GHQに没収されましたが、今は東京都のものとなっています。
都心で田んぼを覗く。駒場野公園
都会では珍しくなった赤松が何本もあり、マイナスイオンたっぷりの公園です。
桜だけでも19品種あるので春の散策にもおすすめです。
週末になるとバーべーキューを楽しんだりテニスをしたりと、付近の住民で賑わっていいます。
農学発祥の地「ケルネル田んぼ」や、夏は蝉もたくさん出てくるので、虫かごや網をもった親子づれもよく見かける公園でもあります。
まだまだある駒場の名店
ボンダイカフェ
広尾の大人気カフェ、ボンダイが駒場にもあります。
こちらは小さなお店ですが、サンドウィッチやフレッシュなジュースがいただけます。
もちろん他のボンダイ同様、まったりできる心地良い店です。
西光亭
ボンダイカフェと同じ通りに、可愛らしい缶で有名な西光亭があります!
小さな店舗ですが、デパートより品数も多く、リスの絵柄のパッケージが壁一面に並んでいます。
女子ならトキメクこと間違いなし。
ル・ルソール
駅の近くにあるフレンチベーカリー。
マツコの知らない世界でクロワッサンが紹介されました。
サンドウィッチも豊富なので、天気の良い日にテイクアウトして駒場野公園でいただくことも。
ミニマル
少し北に歩くと、富ヶ谷にチョコの名店ミニマルの本店があります。
カカオ豆の仕入れからチョコレートづくりまで、全工程を手仕事で行うチョコ好きにはよく知られたお店です。
板チョコも美味しいですが、せっかくここまで歩いたならぜひアイスを!
濃厚で深みのある本格アイスチョコを味わえます。
ボラーチョ
こちらは孤独のグルメに登場した洋食レストラン。
淡島通りを神泉方面に歩いたところにあります。
24時まで営業しており、TVでは「牡蠣のグラタン」と「マッシュルームガーリック」が取り上げられていましたが、その他のメニューも豊富です。
周辺の街に足をのばしてみる
代々木上原
渋谷区とは思えない落ち着いた街で、美味しいレストランやベーカリーがたくさんあることでも知られています。
駒場から北に歩くと富ヶ谷、代々木上原とつながり、小田急線や千代田線を利用することができます。
神泉
東急文化村周辺にビストロやカフェが並びます。
東大キャンパスの北口を抜けるとすぐ神泉になります。
私はいつも東大を抜けて神泉~渋谷と散歩を兼ねて歩いています。
中目黒・代官山
駒場の山から下に降りると、池尻、中目黒、代官山が現れます。
春なら目黒川の桜を楽しむこともできます。
こちら側ですと、東急田園都市線や東横線を利用することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
駒場はガイドブックではあまり取り上げらない街ですが、品がよく静かで、私は大好きです。
人通りも少ないので、散策だけでなく大人デートにもオススメです。